車両

これは架空鉄道です。たとえ実在する団体名がでてきたとしても、関係ありません。

2017/01/19

 以下、特記なき場合はすべて日本車輌製造製である。

 2017年現在、保有車両のほとんどは5000系汎用電車であり、他形式は普通列車の一部に3000系、高城町―石巻間のローカル列車に4000系が残るのみとなっている。

デハ3形電車(運用離脱:日本車輌製造東京支店製)

 デハ3形電車は、戦後の混乱期に国鉄63系電車の割り当てを受けた東武鉄道から譲渡されたものである。東武鉄道が狭軌であるのに対して宮城電気鉄道は標準軌であるため、台車を履き替えさせる改造を施して導入した。導入当初は戦中・戦後の酷使によって疲弊しており、内装を一新するに等しい改造を必要としたが、この車両の導入が宮城線近代化の契機となった。デハ3形は3扉ロングシートであるため、後に輸送力が逼迫した際には詰め込みのきく数少ない車両として重宝された。

1000系急行型電車(運用離脱)

1000系急行型電車
1000系急行型電車

 1000系急行型電車は日車ロマンスカーの一派であり、長野電鉄2000系と同時期の1957年に4両編成で登場した。仙台駅の拡張と旅客需要の高まりを受けて宮城線に急行運転が計画された際に、製造が決定したものである。当時戦前製の電車しかなかった中にカルダン駆動のロマンスカーが登場したとあってそのインパクトは絶大であった。この車両だったからこそ急行が急行にふさわしいスピードを実現できたと言える。以降長い間、旧型車を置き換えて都市間直結輸送に高品質のサービスを提供すべく増備が続けられた。その過程では、1969年に特急が登場し、その際にも宮城線の花形として充当されている。なお、1000系増備の過程では高度経済成長によって旅客需要が高まり列車を増発するなどしたため、旧型車を駆逐するには至らなかった。

2000系通勤型電車(運用離脱)

 2000系通勤型電車は、1960年ころから戦前製の吊り掛け電車を日車標準車体に載せ替えて改番したものである。車体は2扉クロスシート仕様であるが、急行に充当される1000系急行型電車に対し、足回りの性能が劣る2000系は普通列車に充当されたので「通勤型電車」という区分になっている。

2500系通勤型電車(運用離脱)

 2500系通勤型電車は、1965年ころから戦前製の吊り掛け電車を3扉ロングシートの鋼製車体に載せ替えて改番したものである。高度経済成長によって通勤ラッシュが激化したものの、当時は宮城線のほぼ全線にあたる陸前原ノ町以東が単線であり、列車の自由な増発ができなかった。そこで、列車本数を増やさずに通勤需要に応える方法として考え出されたのが、2000系に改造されるのを待っていた残りの戦前製電車を、2扉クロスシートではなく3扉ロングシートの純通勤型電車に改造する策であった。こうして登場したのが2500系であり、この車体の基本設計は後の3000系通勤型電車に引き継がれた。

3000系通勤型電車(現役)

3000系通勤型電車
3000系通勤型電車

 3000系通勤型電車は、1974年に登場した4両編成の本格的通勤型電車である。宮城線では、高度経済成長による通勤需要の高まりを受けて1965年ころから3扉ロングシート車2500系が投入され、既存のデハ3形と合わせて通勤輸送のエースとして運用されていたが、1973年のオイルショックによって通勤需要がさらに高まり、抜本的対策が必要になった。当時の保有車両の大半は2扉クロスシート車1000系であり、それに同じく2扉クロスシートの2000系が続くというラインナップで、3扉ロングシート車は戦前製旧型車の余り物を改造した2500系と、すでに製造から47年が経過していたデハ3形のみだったのである。宮城電気鉄道は、絶望的に不足する通勤型電車を製造する必要に迫られ、その結果導入されるに至ったのが3000系である。仙台市と多賀城市の間に開発規制区域があるという沿線の性質上、宮城線で混雑するのは優等列車であったため、3000系は通勤型電車でありながら一部朝の特急や急行にも充当された。2017年現在、3000系は後述の5000系汎用電車にほぼ置き換えられたが、まだ数編成在籍している。

4000系特急型電車(現役)

4000系特急型電車
4000系特急型電車

 4000系特急型電車は、バブルに乗じて1988年に導入された4両編成の側面展望特急車である。側面の大窓から松島の大パノラマを楽しめる。また、前面窓も大きく、進行方向右側最前列なら前面展望に十分な視界を確保できる。4000系は、観光特急としては好評を博したものの、側面窓向きの座席があるなどの特殊仕様から近郊輸送には使いづらい車両であり、後の車種統一の流れに繋がった。2017年現在、4000系は2両編成に短縮され、特急運用を外れて高城町―石巻間のローカル列車に回されている。奥松島の景観もまたよいものである。

5000系汎用電車(現役)

5000系汎用電車
5000系汎用電車

 5000系汎用電車は日車式ブロック工法によるステンレス車であり、2000年に4両編成で登場した。優等列車にも普通列車にも充当することを想定しており、宮城電気鉄道は5000系による車種統一を図っている。通勤ラッシュに対応するため仙台駅の改札に近い両側の先頭車はロングシートであるが、特急にも充当されるため中間車2両は転換クロスシートである。宮城電気鉄道で初めてシングルアームパンタやLED行先表示器が採用されるなど見どころは多いが、利用者に一番うれしいのはドア開閉ボタンの設置であろう。2017年現在、5000系による車種統一は佳境を迎えており、他形式は普通列車に一部3000系が、高城町―石巻間のローカル列車に4000系が残るのみとなっている。

参考文献

東武デハ3形電車 - Wikipedia 2017年1月19日閲覧

カルダン駆動方式 - Wikipedia 2017年1月19日閲覧

長野電鉄2000系電車 - Wikipedia 2017年1月19日閲覧

仙台都市圏 - Wikipedia 2017年1月19日閲覧

多賀城市 - Wikipedia 2017年1月19日閲覧

叡山電鉄900系電車 - Wikipedia 2017年1月19日閲覧

ブロック工法 - Wikipedia 2017年1月19日閲覧

集電装置 - Wikipedia 2017年1月19日閲覧

宮城電気鉄道:歴史/路線・ダイヤ/車両/その他